今、日本のリーダー・マネージャーに必要な2つの「時間」

秋と時計

今回は、今の日本の最前線で奮闘されているリーダーやプレイング・マネージャーに必要だと感じている2つの「時間」についてお話します。

 

結論から言います。

 

一つは、「ご自身の話を受け止めてくれる人に聴いてもらう時間」

もう一つは、「関わる部下・メンバーの“感情・思い”を受け止める時間」です。

 

皆さんはこの2つの時間をしっかりと作れていますか?

 

私は企業でリーダー・マネージャーになって以来、日に日にこの2つの時間が取れない状態になっていきました。

意識的にというよりも、気づいたらそうなっていた、という方がしっくりきます。

 

何故そうなっていったのかを振り返ると、いくつかの要素が思い当たります。

 

  • どんどん入ってくる打合せや管理・報告物などの、仕事量が加速度的に積み上がる
  • それらを「自分で全てやりきらなければならない」という思い込みから、脳内に余白がなくなっていく
  • 組織や上司に助けを求めたくても、話す機会すらなかなか取れず、何とか時間をいただけても一方的なアドバイスで時間切れとなり、消化不良
  • 自分自身の脳内でテトリス棒が積み上がりすぎて、周りに目を向ける余裕がなくなる
  • 部下やメンバーと話す時間すら取れなくなり、自分から伝えるだけの一方通行のコミュニケーションになっていく

 

ここまで振り返ると、あることに気が付きます。

 

あれ?「上司に話を聞いてもらえていないな」って思っていたけど、自分も部下に同じことをしていた!?

 

このような経緯を辿り、私自身、2つの「時間」が作れなくなったのだと考えています。

 

では、何故この2つの時間が大切なのか?

 

まず、「ご自身の話を受け止めてくれる人に聴いてもらう時間」

 

脳内をコンピューターに例えるとわかりやすいかもしれませんが、瞬間瞬間で記憶したり処理できる情報量には限りがあります。

一度寝て再起動させたり、しばらく休ませてヒートダウンしないと、徐々に働きが遅くなり、いずれフリーズ、つまり思考停止の状態になってしまいます。

そうなると、それ以上のインプットを受けられない状態となり、周りからの要求や期待に対して何のアウトプットも出せなくなっていきます

 

そこで、もう一つ取り得る手段が、外部メモリに移動させたり、情報を削除(手放す)ことです。

それを現実世界で行えるのが、「人に話を聴いてもらうこと」なのです。

 

ここでポイントになるのが「受け止めてくれる人」という部分です。

 

聞いてもらうことはできても、前述のように、途中で遮られて、

「それは違う」「そんなのこうすればいいだけですよね」

等と打ち返される相手だと、脳内の情報を移動したり手放すという目的が果たせません。

 

途中で遮ることなく、じっくりと話を聴いて受け止めていただけるだけで、自分の脳内を溢れさせていた情報だけでなく、思いや感情までも脳の外に一旦吐き出すことができます。

 

ここで大切なのは、聴いてもらう相手に、その場で解決してもらえなくてもよいということです。

遮らず、打ち返さずに、ただ受け止めていただけるだけで、目的は達成です。

 

もしそういう存在が身近にすぐに思い浮かばない場合は、毎日朝もしくは夜に、その時頭の中がいっぱいになっていることをノートやスマホのメモに書き出すだけでも効果があります。

一旦書き出すことで、忘れてもいい状態にするのがコツです。

 

そして自分の脳に余白ができた段階で、二つ目「関わる部下・メンバーの“感情・思い”を受け止める時間」を作ります。

 

職場においては、当然仕事の中身やこれからの目標・ToDoなどの行動面については沢山議論されていることと思います。

しかしながら、部下や同じプロジェクトのメンバーの“思い”や“感情”については、意外と聞いたことがないというリーダーが大勢います。

 

「この作業は終わったのか?」「いつまでにやるのか?」「どのようにやるのか?」

といった“やり方”についての会話はしていても、

 

「今困っていること・不満なことは?」「どうなったらいいと思う?」「どんな仕事だと幸せを感じる?」

このような会話が日常的に行われている職場は、どれくらいあるでしょうか。

 

「行動」には、その行動をしようと考える「思い」があり、その「思い」に至る「感情」があります。

この「感情」にフォーカスせずに、「行動」面だけを指示したり評価しても、相手の行動を変えるのはなかなかに難しいでしょう。

何故なら、その行動に至る「思い」や「感情」が変わっていないからです。

 

ではどうするか?と言えば、まず、目の前の相手の「感情」「思い」を知ることが大切です。

 

ここでちょっと思い出してください。

あなた自身が話を聴いてもらうときに、途中で遮られたり打ち返された場合の気持ちを。

 

あなたが感じるその気持ちを、目の前の相手も同じように感じる可能性があります。

 

だからこそ、重要となるのは、「メンバーの話を“聞く”時間」ではなく「メンバーの“感情・思いを受け止める”時間」なのです。

 

 

「ご自身の話を受け止めてくれる人に聴いてもらう時間」

「関わる部下・メンバーの“感情・思い”を受け止める時間」

 

 

この2つの時間が作れた時、必ずあなたと周囲に変化が出てきます

そのためには、

 

  • 意識してこれらの時間を作ること
  • 相手の感情・思いを“受け止める“訓練を続けること

 

が必要です。

 

少しでも興味をお持ちいただいた方やもう少し詳しく知りたいという方は、どのような方法でも結構です。いつでもお声掛けください。

 

日本リーダーコーチ協会では、このような変化を望むリーダーやプレイング・マネージャーの皆様のお力になれるよう、全力で応援させていただいています。