「相手も頭脳を持っている」菊岡理事ブログ

 

「相手も頭脳を持っている」

私がマーケティング部門のヘッドだった時は、
部下が持ってきた資料を、直ちに見て、
1分もかからない時間で、
「ここ修正して! このロジックおかしいよ!」
などと言って「やり直し・考え直し」を指示していました。

早く見て、早く返すことが、
相手の時間を無駄にせずに良いことと思っていました。

さらに自分の時間も効率的に使えると思っていました。

自分は効率的なのはともかく、

すぐに返された相手の気持ちはどうでしょうか?

これが全く考えられなかった私でした。

気持ちより、ロジック。
気持ちより、時間。
気持ちより、より良い資料。

人より、仕事・業務が優先でした。

人に敬意を払うのではなく、
業務の出来栄えや効率が優先されていました。

上長としては最低と、今はわかっています。

この状態を続けていて、複数の失敗を重ねました。

そして営業からマーケティング部門に移ってきた人に、
マーケティングの知識とやり方、
さまざまな思考術の知識とやり方を
教え始めました。

これが今の会社名になっているKiku塾の始まりです。

教え始めると、学ぶ人は、
どこまでわかっていて、どこでつまづくかがわかります。

また私の教え方を変えることで、学ぶ人の理解が促進されます。

おしえながら、教え方・学び方を学んでいきます。

双方向の頭脳が、シナジーを発揮し始めます。

学びの場は、教えながら対話の場になっています。

相手のことをじっくり聴くと、
どこまで理解し、どこに学びのポイントがあるか、
わかります。

1分で返していた時は、
相手の話を聞くふりをしていただけで
自分の言いたいことが中心。

相手の頭脳は無視していました。

じっくり聴くと、
相手の頭脳が反応し、
それが私の頭脳にも好影響を与えます。

上長からの一方的な指示やアドバイスは、
相手の頭脳を使うことが出来ていません。

相手の頭脳の成長にもつながりません。

自分の頭脳にとっても、残念な行動です。

相手も頭脳を持っている。

その頭脳は成長する。
そして自分に好影響が返ってくる。

とても素敵な教訓です。